燃え尽き脳神経内科医の備忘録・学習記録

脳神経内科医によるブログです。論文を独り抄読会として載せていきます。論文を読む際に調べた英単語も記録しています。よろしければ御覧ください。

低カリウム性四肢麻痺を生じた稀な原因:症例提示|神経内科の論文学習

多忙で最近更新してなかった・・・

少し前にNeurologyのClinical reasoningにハマりました.今はPearls & Oy-stersを流し読みしてます.気になった部分を備忘録に載せます.

 


Pearls & Oy-sters: An unusual cause of hypokalemic paralysis

Neurology 2016;87;e174-e177

 

 二次性の低カリウム性麻痺(甲状腺中毒症,腎障害,内分泌障害,胃腸疾患)は低カリウム性麻痺の43%を占める.

 急性弛緩性麻痺(acute flaccid paralysis :AFP)は急性発症/進行性のlower motor neuron typeの筋力低下で,4週以内に極期に達する.そのうち7.5%が低カリウム性麻痺.

 低カリウム性麻痺の40-45%が二次性.
 二次性の原因としては,甲状腺中毒,腎障害(近位2型尿細管性アシドーシス(renal tubular acidosis:RTA),遠位1型RTA,Fanconi症候群,medullary sponge kidney,シェーグレン症候群(Sjögren syndrome:SS),慢性トルエン曝露),内分泌障(Conn症候群,偽性アルドステロン症),胃腸障害(急性胃腸炎,Celiac病,tropical sprue,短腸症候群),バリウム中毒* など.

(* 検診などで使用されているバリウムは不溶性なので体内には吸収されない.水溶性バリウムは吸収されて中毒を起こす(海外で報告あり?))

 二次性の原因の内訳は報告により差がある.
 甲状腺中毒症が50%,感染性腸炎20%,クローン病/Conn症候群/遠位型RTAがそれぞれ10%.他の報告では,RTAとアルドステロン症がそれぞれ約42%で,甲状腺中毒症が6.4%.さらに他の報告では甲状腺中毒症が40%で,遠位RTA/Conn証拠具運/Batter症候群がそれぞれ6%ずつ.
 遠位型RTAは,家族性や二次性(ガラクトース血症, Ehlers-Danlos症候群,Fabry病,Wilson病,遺伝性楕円赤血球症,SS,低ガンマブログブリン血症,慢性肝炎など)で生じる.


 高Cl性代謝性アシドーシスと尿pH上昇(>5.5)の所見は遠位型RTAを示唆する所見である.

 

 SSの約2/3で腺外病変(腎臓,肝臓,肺,膵臓,神経など)を伴う.腎病変の頻度は2-67%と報告により差がある.間質性腎炎,RTA,尿細管性蛋白尿,腎性尿崩症,糸球体腎炎,腎不全などがあり,その中でも尿細管機能障害が最も多い.