燃え尽き脳神経内科医の備忘録・学習記録

脳神経内科医によるブログです。論文を独り抄読会として載せていきます。論文を読む際に調べた英単語も記録しています。よろしければ御覧ください。

COVID-19に伴う神経症状|神経内科の論文学習

 新型コロナウイルス(COVID-19,SARS-CoV2)と神経症状の関連について何か情報はないかと調べました.

 以下の論文から,神経症状・徴候に関わる部分のみまとめました.
 COVID-19による呼吸器症状や感染予防策についても記載されていましたが,今回は割愛して読みました.

 COVID-19による中枢感染などはまだ詳しく分かっていない部分もあり,今後さらに報告が出る可能性がある気がします.

(本邦からもCOVID19での髄膜炎/脳炎の症例が報告されたようです.https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/32251791)

 


Consensus for prevention and management of coronavirus disease 2019 (COVID-19) for neurologists

 Stroke & Vascular Neurology
 doi:10.1136/svn-2020-000382 Stroke


 

svn.bmj.com

 


 

神経症状・徴候

 1/3の症例で,中枢神系,末梢神経系,骨格筋など,何らかの神経筋症状を生じる.

  • 中枢神経障害:めまい,頭痛,意識障害,脳血管障害,失調症,痙攣がある.めまい頭痛が多い.
  • 末梢神経障害:味覚障害,嗅覚障害,視覚障害,神経痛を呈する.味覚障害嗅覚障害が多い.
  • 骨格筋障害:筋疲労感,筋肉痛,軽度CK上昇(CK200 U/l)などを呈する.

 重症例では,虚血性脳卒中や,脳出血,意識障害,骨格筋障害が生じやすくなる.炎症ストームによる,過度の炎症因子がが悪化の原因と考えられる.加えて,凝固因子に影響が生じ,脳血管障害が生じやすくなる.

 COVID-19流行期に上記症状を生じる患者を診察する場合は,COVID-19の可能性を疑う必要がある.

神経症状が生じる原因

脳血管障害

 多くの症例では,すでに脳血管リスク(高血圧,糖尿病,脂質異常症,喫煙,脳梗塞既往)を持っている. 

 COVID-19はACE2受容体と結合するため,高血圧患者で血圧変動を生じ,脳出血を生じやすくなる.加えて,SARS-CoV19重症感染時は重度の血小板減少となることも,脳出血が生じやすくなる.高血圧患者では,ACE阻害薬やARBsを中止して,他の降圧薬への変更を考慮する.

頭蓋内感染

 既報告によると,コロナウイルスが中枢神経系に侵入する可能性がある.
 (2002~2003年に流行したSARSウイルスでは) 脳脊髄液中にSARSウイルスが検出され,剖検では脳組織からSARSコロナウイルスが検出された.

 今回のCOVID-19アウトブレイクでは,いくつかの症例で,頭痛や痙攣,意識障害など中枢感染と類似した症状を呈する

 呼吸器症状が出現する前に中枢神経系症状が起きる症例も稀にいる.そのため,COVID-19感染者では,中枢感染症が生じていないか注意する必要がある.中枢感染の診断のため,髄液PCRでCOVID-19核酸を証明することが奨められる.中枢感染時は,脳浮腫治療や,痙攣や精神症状に対する治療などを考慮する.

筋障害

 COVID-19の炎症による影響や,ウイルスの直接障害などの原因が考えられる.

 


 

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