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燃え尽き脳神経内科医の備忘録・学習記録

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早期パーキンソン病に対するアマンタジンのレボドパ誘発性ジスキネジアを遅らせる効果

Posted on 2022年3月10日2022年3月10日 By 雪むかえ 早期パーキンソン病に対するアマンタジンのレボドパ誘発性ジスキネジアを遅らせる効果 へのコメントはまだありません
医学, 未分類, 脳神経内科, 論文

最終更新 2022年3月10日

パーキンソン病(Parkinson disease:PD)でレボドパ誘発性ジスキネジア(Levodopa-induced dyskinesia: 以下 LID)に対して,国内でもアマンタジンの処方が適応を持っている.

本研究では,早期PDにアマンタジンを処方することで,LIDの発生を遅らせる効果を調べた後ろ向き研究.

目次

  • 1 本日の論文
  • 2 論文の概要
    • 2.1 方法
      • 2.1.1 症例採用基準
      • 2.1.2 除外基準
      • 2.1.3 群分けと観察
    • 2.2 結果
  • 3 感想
    • 3.1 関連

本日の論文

Amantadine treatment and delayed onset of levodopa-induced dyskinesia in patients with early Parkinson’s disease
Eur J Neurol. 2022 Apr;29(4):1044-1055.
doi: 10.1111/ene.15234.

https://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1111/ene.15234

論文の概要

方法

症例採用基準

30歳以上の早期PD症例 (以下は除外:エンタカポン,アポモルヒネなどが処方されている.観察開始前に180日以上のレボドパ治療期間がある.診断や治療されるまで5年以上経過している.H-Y≧4).

レボドパ内服,アマンタジンや抗コリン薬,MAO-B阻害薬を服用している症例.

除外基準

認知症,精神疾患がある,ジストニアやtardive dyskinesiaなどの不随意運動がある.二次性パーキンソニズム,非定形パーキンソニズム,Wilson秒などがコードされている症例.

群分けと観察

アマンタジンや対照薬(MAO-B阻害薬と抗コリン薬)が処方開始されてから観察開始.

6ヶ月後,12ヶ月後,18ヶ月後でアマンタジン群と対照群で比較(Propensity-score weighting and landmark analysis)

結果

各時点での症例数はm6ヶ月 807例, 12ヶ月 661例,18ヶ月 518例.

アマンタジン使用は,6ヶ月,12ヶ月時点でのLID発生を有意に減らした(重み付けCoxモデル)
6ヶ月 HR 0.65 (95% CI = 0.49–0.86)
12ヶ月 HR 0.64 (95% CI = 0.47– 0.88)

18ヶ月 HR 0.77 (95% CI = 0.54– 1.09, p= 0.15)

感想

 LIDに対してアマンタジンが効果があることはすでに知られており,LID発症前にアマンタジンを投与することでLIDを遅らせるという効果はなんとなく予測できる.しかし,それを初めて調べた研究という点では重要であろうと思う.

 実臨床では,早期PDではアマンタジンを処方するケースは少ない.通常,LIDを生じて薬剤調整での対処が難しい場合に,アマンタジン投与を検討するかどうかという流れが多いように思い,実際それがreasonableとも思う.

 本研究を受けて,是非,早期からアマンタジンを併用したいとはあまり思わないが,ジスキネジアがハイリスクと思われる症例や,ジスキネジアを非常に強く心配するが運動症状も困って抗パ薬を増やす必要がある人()には,LIDを遅らせるために早期から投与することも選択肢になるかな,と感じた.

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